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OUTLINE 概要

「2019年の総括と今後に向けて」
前回のオタリテック株式会社様に続き、株式会社エムアイセブンジャパン・登井 萌水様に取扱いブランドの製品をご紹介いただきました。
2019年12月16日収録

SECTION.1 最先端を行く エムアイセブンジャパンの製品群

吉田 保

次は登井さんから、エムアイセブンジャパンの取扱っている製品についてお話していただきます。どうぞお願いします。

登井 萌水

皆さま、よろしくお願いします。エムアイセブンジャパンは、現在、17のブランドを取り扱っております。例えばマイクのBlue Microphones、ワードクロックで有名なBlack Lion Audio、楽譜ソフトfinaleで知られるMake Music。他にもDAWやコンソールなど幅広い製品群のPreSonus、プラグインのSoftubeやZynaptiq、室内音響補正のVicousticなどを取り扱いしております。また、弊社のグループ会社にスピーカーのジェネレックジャパンと、RMEやマスタリングでよく使用されているDAW「SEQUOIA」などを扱っているシンタックスジャパンがございます。

吉田 保

それでは、新製品を中心にお話をお願いします。

登井 萌水

最初は、シンタックスジャパンが取扱うRMEのBabyface Proの新バージョンBabyface Pro FSをご紹介します。これは、USB2.0でPCと接続でき、バスパワー動作もできるオーディオインターフェイスです。

末尾のFSは“フェムトセカンド”の略で、内部クロックの精度が1000兆(フェムト)分の1秒という単位まで向上しました。DAコンバーターのADI-2 DACやAD/DAコンバーターADI-Proも、FSとなりました。いずれも非常に音質が向上しております。

そして、シンタックスジャパンは2019年よりAppsys ProAudioの取扱いを始めました。このメーカーの主力はMVR-64 multiverterというユニバーサル・フォーマット・コンバーターです。これはDante、MADI(optical、coaxial、TP)、ADAT、AES50、そして、今後はWavesのSoundGrid、AVBやMilanにも対応予定です。また、SRC-64というサンプルレート・コンバーター・モジュールを挿入することで、現場のネットワークからセパレート(縁切り)させることができるようになります。例えば、音声中継車などクロックが2つあるシステム、他にもライヴ録音など、「現場のクロックと自身のクロックを分けて運用したい」という時にとても便利です。今後、既存のMADI機器をIP Audioのネットワークに接続するという意味においても、現場で必要になるほぼすべてのデジタル信号の変換に対応しているマルチなコンバーターとしても、きっと現場の皆さんのお仕事のお役に立つアイテムではないかと思います。

ほかにも、PreSonusのデジタル・コンソールStudioLiveシリーズは、バージョンが上がり「Series III S」となりました。AVBに対応しておりまして、ステージボックスやキューボックスまで、LANケーブル1本で接続が可能です。

次はGenelecの新製品をご紹介させていただきます。The Onesシリーズに変化がありまして、8351Aのリビジョンが上がって8351Bになったことと、より大きなサイズの8361Aが登場しました。また、音響補正ソフトGLMもバージョン3.1.1となり、EQポイントが20まで増え、より詳細に室内補正ができるようになっております。The Onesはリスニングポイントが60cm~5mくらいまでととても広く、ミッドフィールドからニアフィールドまでお使いいただけるラインナップです。もう一つ、ちょっと変わり種として、「アダプティブ・ウーファー」というこれまでにないポジションのウーファー「W371」が登場しました。これは、The Onesの低域をシームレスに補完するウーファーで、他のThe Onesファミリーとご一緒に使っていただくシステムです。先日、試聴会を行った際、奥行きや広さが1.5倍くらいになったと皆様におっしゃっていただきました。また、低域や高域の余裕も生まれるので、さらに心地よいサウンドになっているのだと思います。


千阪 邦彦

個人的には、Vicousticがちょっと気になったんですけれども。

登井 萌水

これは室内音響ソリューションになります。吸音パネルと拡散パネル、ベース・トラップからなり、それぞれに吸音特性や拡散特性が異なります。おしゃれなルックスで、どの製品も部屋の印象を壊さないようなデザインで室内音響を整える製品です。価格もそこまで高価ではなく、1箱あたり8~10万円の間くらいの価格帯になります。おかげさまで、徐々に導入事例も増えてきています。